日本歯科医学会について/ご挨拶
学会長ご挨拶 新春号

新春のお慶びを申し上げます。
甲午は飛馬ともいわれ、大きな飛躍が期待される。この春は、昨年の諮問に対する答申が一斉に出てくるので、その答申案をもとに、事業として具現化することを目指して、学会は一気に活動を始める。平成26年度予算は20%削減することになるが、その中身にはメリハリをつける方針だ。学会から社会または関連機関・組織に、エビデンスをもった情報提供をすることに重点を置くと同時に、その逆方向の情報収集もまた重要なことである。新年を迎えて、その思いを一段と強く認識している。
さて、みなさまはどのような年末年始を過ごされたのだろうか。私は、元旦3時に床に就き6時に起きた。寝る前に外に出ると、外気は思ったほど冷たくなかったが、満天の星空を見上げて吸い込む空気は、ひんやりとさわやかであった。初日の出が拝めることを確信して蒲団に入ったのである。6時に起床。家内と愛犬を起こし、6時30分には揃って外に出た。東京タワーの初日の出が6時47分との情報を得ていたのだが、45分には目的地に着きたかったのだ。私の自宅は東京西部の郊外にあり、森林におおわれた都立公園が近接している。歩き慣れた公園の最高地点にあるベンチを目指す。途中、大勢の人たちが道を駆け上がるのに出会う。地元開催の初日の出マラソンだ。老若男女の和やかな走りを横目で見ながら、山道に入る。元来ドッグレース用に仕上げられた種類の愛犬に引っ張られるようにして、山道を駆け上がった。冷たく澄んだ空気の中、息を整えながら待つこと数分、次第に東の空に朱色が差してくる。木立の間から、赤い放射状の輝きを持った太陽が、だんだんとその姿を見せてきたのだ。初日の出を拝むのはずいぶん久しぶりの気がする。自分の人生が大きく変わった昨年があったからこんな気持ちになるのだろうか。全体を見せながら赤味がだんだんと薄れていく太陽に、いろいろな感謝と願いの気持ちを伝える。誰もがみつめている初日の出にもかかわらず、この時ばかりは、この太陽が自分たちだけのもののように感じた。およそ1時間の散歩の帰り道、マラソンランナーの姿はすでになく、いつものイヌ仲間に出合い、新年のあいさつを交わす。
わが家の雑煮はみそ味で、具は白菜、里芋のみで餅と煮込む。これは徳島の実家の伝統である。家内は焼いた餅を入れる醤油味の雑煮を希望するが、結婚以来譲ったことはない。そろそろ醤油味の雑煮の出番にした方がよさそうである。
今年もみなさまにとって、有意義な年でありますようご祈念いたします。
2014年1月6日