日本歯科医学会について/ご挨拶
学会長ご挨拶 10・11月号

「あの日何の日 偶然は楽しい」
今回は少し気軽な話をさせていただきます。
まずは日本歯科医学会が都道府県の歯科医師会の協力で開催しています平成26年度学術講演会、4か所のうち奈良県、長崎県が終了しました。奈良県開催では多くの地元参加者のほかに、他府県の方たちもおられました。今回の学術講演会のテーマは「全身の健康を支える歯科医療 これからの高齢者歯科医療」です。私もこの関係の講演はこれまでにも十分に聞いてきたと思っていましたが、今回も「目からうろこ」の話がちりばめられ、この分野の対応の進展を実感させられました。
9月20日に長崎で開催した日本歯科医学会主催の学術講演会では、次のような内容で学会長挨拶をいたしました。
『デカンショ節の一節「おやじ親父と威張るなおやじ親父子供のなれの果て」をもじって、老人に敬意を表し、「老人老人と威張れよ老人 老人子供のアウトカム」と切り出しました。『このアウトカムは、最近、さまざまな分野で使われています。日本語では結果、成果、結論などの意味とされていますが、それまでの取り組み、対応、仕掛けなどを意識した言葉です。高齢者の口腔の状態がみじめであったとすればそれは幼い時から始まるそれぞれのライフステージにおいての対応が不足していたことになります。本日は「食べることは生きること」のスローガンをもとに歯科界が取り組んでいる高齢者医療についての学術講演会ではありますが、このような歯科医療が必要となった側面にも思いをはせて研修していただきたく存じます。』
そして会場の参加者に次の質問をしてみました。『9月15日は何の日ですか?』急に質問を振られた女性の参加者は一瞬戸惑いを見せて『敬老の日です』と答えられました。この答えは今年は間違えではありませんが、正しくは【老人の日】です。それでは【敬老の日】はといえば9月の第3月曜日でこの日は祝日です。今年は9月15日が第3月曜日にあたっていたので、【老人の日】の日であり、【敬老の日】でもあったのです。ちなみに来年の平成27年はといえば、【敬老の日】が第3月曜日の9月21日で、23日の【秋分の日】に挟まれた22日は「国民の祝日に関する法律第3条第3項」に該当し休日となっています。したがって20日(日)から23日(水)まで4連休となります。
休憩時間に私が質問したかの女性が来られて『9月15日についてですが、何の日ですか?問われたときに一瞬びっくりし、答えるのをためらいました。でも先生が私の誕生日を知っているわけはないので【敬老の日】と答えたのです。』彼女の一瞬のためらいの意味が分かりました。偶然は楽しめるものです。
講演会終了後に長崎県歯科医師会執行部の方々と今回の学術講演会の関係者10名ほどで懇親会が開催されました。その席で今回の演者の一人であるK教授に何かの話のついでに生年月日を伺いました。昭和OO(年は忘れました)年11月11日と答えられました。横でお酌をされていました女性が私も誕生日が11月11日ですと口をはさみましたので、あれあれ私も11月11日ですというと、それまでの冗談話が災いして保険証を見せるまで信じてはもらえませんでした。驚くなかれ、わずかな人の集りで誕生日が同じヒトがなんと3名もいたのです。ちなみに大阪の魚市場では11月11日を【鮭の日】としていたようであります。鮭という字をじっくり見ていただければ答えが隠されています。【ピーナッツの日】としているところもあったらしいですね。ちなみに国は11月11日を平成20年から【介護の日】としています。介護における歯科的支援の意義についてみなさんに考えていただきたい記念日であります。とにかく偶然は楽しめるものです。
ついでに歯に関して世間では、語呂合わせで、6月4日の「虫歯予防の日」から始まり、10月8日の「入れ歯の日」、そして11月8日を「いい歯の日」へとポジティブな変化を遂げてきました。うれしいことです。※
※歯科界では6月4日~10日は【歯と口の健康週間】、10月8日は【入れ歯感謝デー】、11月8日は【いい歯の日】を提唱しています。
2014年10月06日