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日本歯科医学会について/ご挨拶

学会長ご挨拶 2・3月号

住友 雅人:写真画像

歯科界の総力で2020年東京オリンピックのメダル数を増やそう

 2月3日の節分の日、学会の会誌委員会のあとのメンバー懇親会に参加させていただきました。ベルギービールを提供する料理店だということで、大いに期待をして出かけました。さっそくビールとオードブルをいただくと、ずいぶん昔、ベルギーのブリュッセルを訪れた折に、バケツ一杯のムール貝のワイン蒸しをベルギービールとともにいただいた記憶が、美味しい味覚とともによみがえってきました。続いて、事務局が持ち込んだ特別メニューが出てきました。恵方巻です。みなさん西南西の方向に向いて頬張り、無言でおなかに押し込むと場は一気に盛り上がりました。美味しいものをいただきながらの楽しいおしゃべりは前頭前野を活性化させますので、ますます話に花が咲いてきます。
 本日の会誌委員会の会議目的は、3月発行誌の最終編集作業と次年度の特集テーマを考えようということだったようです。特集号のテーマは未定ということでしたので、先日、東京医科歯科大学歯学部同窓会の新年名刺交換会に出席した折のお話をしました。この会に先立って、同校教授として昨年10月に就任されたハンマー投げ選手の室伏広治先生の講演会がありました。2020年の東京オリンピックはもちろんのこと、歯科的な貢献について少しお話しがありました。そこで私も、名刺交換会のご挨拶として、これまで日本で開催されたオリンピックに歯科医師がどのような形でかかわっていたか、また、次はどうかかわるのがよいかということをお話しいたしました。これまではどうも各国選手団の応急的な治療担当で、いわゆる待機仕事が中心であったようでした。私は、すべての強化選手に、早い時期から歯科検診を実施し、治療の必要な選手には全員に歯科治療を、歯科矯正治療も含めて施すという提案をしました。まずしっかりとした咬合ならびに咬合力を回復・増進させます。そして審美的な回復を図ります。換気量を増やして多量の酸素を取り入れ、正確で大きな声を出すことによっていわゆる気合が入ります。ここからが重要です。この歯科的介入による前後のデータが示されます。その評価の方法は歯科界の長年にわたる取り組みですでに構築できています。私の専門分野では、重心動揺の測定という一つの方法がありました。これを、全身麻酔や鎮静法からの回復度を見るために、重心動揺が元に戻っているか否かの確認に用いていたのです。術前のデータで、重心動揺が大きなヒトがたくさんいました。すなわち体の軸がぶれているヒトが多いことに気づきました。咬合を改善することで、この揺れを少なくできる研究も行われていました。軸がぶれることによってスポーツ選手に不利な結果が出るとすれば、その改善によって記録が伸びることが期待できます。これは一つの評価方法ですが、今までの歯科界が構築した多くの評価方法を用いた歯科的介入の効果によって記録を伸ばすことに協力しようではありませんか。そのためにはその分野の専門の歯科医師をメディカルインストラクターやコーチ陣の中に加えることが必要です。歯科が介入することによってメダルの獲得数をより増やすことができれば、という私の初夢がまだ続いています。
 ちなみにこの懇親会での私のつぶやきは、次年度会誌の特集となりそうな気配です。 節分、立春と過ぎ、もう春がやってきました。さあ新しい芽を育てようではありませんか。

2015年02月08日


 
 
 

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