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日本歯科医学会について/ご挨拶

学会長ご挨拶 10・11月号

住友 雅人:写真画像

若手研究者に光を!

 
 9月は、二人のノーベル章受賞者の「若手研究者の育成について」のお話を聞く機会に恵まれました。お一人は歯科基礎医学会で講演と対談に登場された、発光するオワンクラゲから緑色蛍光タンパク質(GFP)を発見した下村侑氏、もうお一人は日本歯周病学会の理事懇親会においてビデオ挨拶された青色発光ダイオードの開発者天野浩氏です。お二人の話には「ノーベル賞の対象の研究は20歳代から30歳代に頑張って取り組んだ仕事での評価である」という共通項がありました。
 「若手研究者を育てるにはどのようにすればよいでしょうか?」という質問に、にんまりと笑って「わかりませんね」と答える下村氏。「よい指導者と出会うのは?」と聞いた私の質問にはしばらく時間をおいて「偶然ですね」のお返事。とぼけたような簡単な答えでしたが、最後に力強く語られたような「本人にやる気がなければだめ。自分の好きなことがあったら一生懸命にやりなさい」という示唆が潜みます。長いご経験に基づく自信にあふれるお人柄に触れることができた貴重な体験でした。
 学会長の目標は、「歯科界からノーベル賞を」です。決して破天荒な目標ではないと思っています。「20歳代から30歳代に」「自分の好きなことがあったら一生懸命に取り組む」ことを実現していくには、どのような応援ができるのでしょうか。
 今、歯科大学・歯学部教員は学生の特性をよく見極め、その特性に応じた分野へのチャンスを与えるようにと私は提言しています。臨床分野だけが注目されがちな歯科にあっても、研究が特性という学生を見極めてチャンスを与えられる組織体制が必要になるでしょう。また若者が選択し、やる気を起こすような研究分野を創出するためには、歯科界全体が活性化しなければなりません。若者の取り組みぶりを評価して、チャンスを与え、伸ばすことができる良い指導者もそだてなければなりません。生活をエンジョイする上において、人々にとって歯科の存在意義は充分に高い。社会に認められる研究には高いコンプライアンスの遵守が必要です。
 私は、歯学部卒業生だけが歯学系の研究者ではないと考えています。いま現在、歯科医療の現場では、医学部や薬学部はもちろんですが、他の分野とのコラボレーションが強く求められています。例えば、獣医学部、工学部、理学部、家政学部、国際学部、情報学部など。これに限らず、今は考えられないような分野との結びつきも見据えて、将来、さまざまな業界で学ぶ若者たちがその希望や能力を持ち寄ってさらに大きな夢を追いながら活動できるような、そういう場を学会は提供していきたいですね。
 歯科界ができることは限られていると考えているみなさん、歯科界にこそ、できることは多いのです。

2015年10月05日


 
 
 

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