日本歯科医学会について/ご挨拶
学会長ご挨拶 平成28年新年号

豊かな取り組み
2016年が明けました。慎んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年12月27日にクリスマスツリーをしまって、28日に松飾りをいたしました。やはり私にはこちらの方がしっくりきます。これまで毎年、わが家では30日に松飾りをしていました。仕事納めが年末に迫ることが多く、28日に飾り付けることができなかったからです。29日は避ける風習があるとか、一夜飾りは歳神様に失礼とか、歳神様が31日早朝に来られるので間に合わないなどの言い伝えがあるようで、30日はいたしかたない選択であったのです。わずか2日の違いですが、28日に済ませておく方が気持ちに余裕ができて、ゆっくりと正月が迎えられるという感じがします。東京地方は今年も天候に恵まれ、よい正月を迎えました。
さるデパートが、初売りを3日からに変更することにしたそうです。このニュースに私は、大いに共感しました。テナント社員の労働環境改善を重視するというのがその理由のようです。今年は多くの関係者が、ゆっくりとした正月を迎えたことでしょう。暮れの日刊紙には「管理者こそ早帰り」という記事が掲載されていました。「イクボス(子育て管理者)」の話から短時間で成果を上げたことに対する評価システムにまで記しています。時代は、仕事の効率化と自分時間の確保の両立が常識となるような気運を迎えているのでしょう。こうして確保できた自分時間でなにをするのか、ますます多様化する「家族」の形ではありますが、みんなで節句ごとの祝いをする余裕を持つこともよいですね。都心の正月は交通量も少なく空気がきれいでさわやかです。生活の豊かさとはどのようなものなのか、ゆっくり考えながらの初散歩でした。みなさまはどのような正月を過ごされたのでしょうか。
さて、今年は、日本歯科医学会総会の開催年です。第23回日本歯科医学会総会が平成28年10月21~23日に九州の福岡市で開催されます。4年に一度開催される歯科界最大の学術大会ですが、九州での開催は初めてのことになります。主幹校は福岡歯科大学で、他に九州の4つの歯科大学・歯学部のご協力と九州地区8歯科医師会の全面的なご支援いただいています。この大会において、重きを置いたところは、周辺アジア諸国からの参加を期待し、歯科医療関係者の協働を一段と啓発し、世界の歯科界の潮流が理解できるプログラムを構成することの三点です。同時開催のデンタルショーとの連携も十分に考慮されており、参加者にはこれまでにない充実感を味わっていただけるものと自負しています。ぜひ福岡の地にお越しいただき、ご自身の力量の向上を図っていただきたく存じます。
今年は丙申(ひのえさる)年です。丙は「形が明らかになってくる」「実が固まっていく」などの意味を持つといわれています。これは物事を具現化する、方向性を決めるなどに言い換えると、現在、学会が取り組んでいる事業の今年の目標に重なってまいります。また申は変革を意味するといわれるようです。会員の皆様のお力をいただき、さらに干支の俗説にも励まされながら、気概を新たに使命に向かって邁進する所存です。
それぞれのお立場で今年も学会をよろしくお願いいたします。
2016年1月05日