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日本歯科医学会について/ご挨拶

学会長ご挨拶 10・11月号

住友 雅人:写真画像

日本歯科医学会総会に行って、女性元年・女性元気、九州のパワーを浴びよう

 
 10月21日から3日間、第23回日本歯科医学会総会が福岡で開催されます。オリンピックと同じく4年に一度、みなさまが待ちに待った、そして私たちとしては4年間かけて準備してきた、日本の歯科界最大の学術大会です。会場のすぐ隣では大規模なデンタルショーも併催されます。今回の総会テーマは「歯科医療 未来と夢」ですが、私としては「女性元年・女性元気、九州のパワーを浴びよう」が続く気持ちです。総会の会頭を筆頭に、総会講演の演者、「口から食べて豊かな人生」のテーマで開催される市民向けの公開フォーラムでも、演者として多くの女性たちが参画しています。今の時代、それは当然といえばそうなのでしょうが、特に「食べること」は、幼少時から続けられる食事や食文化が、のちのちの食生活に大きな影響を与え、人生を豊かにし、さらに高齢期に抱えることになるであろう諸問題にも重要な役割を果たしていくことを考えれば、母としてあるいは、育成者としての女性の視点は大変に重要なのです。いま現在、各分野の現場で活躍されている女性から発信される熱い声を聴こうではありませんか。
 さて、出典は定かではありませんが、江戸時代、出島にシーボルトがいたころに蘭学者の間で交わされた問答を紹介します。「江戸での勉学1年はいわゆる畳の上の兵法、長崎の勉強半年は真剣勝負、この二つのどちらが西洋医学を会得するうえでの早道か」。畳の上の兵法とはかなり乱暴な言い方ですが、そのころの長崎は、西洋文化と日本を結ぶ唯一の窓口でありました。約200年たった今日の歯科界にあてはめても、この問答は的を射ていると思います。
 私は「医療は対価を伴う社会的貢献だ」と常々言ってきました。そして、「歯科医師資格には生涯にわたっての学習・研修が求められる」とも喧伝しています。これらは目標です。卒前教育、卒後教育でおなじみの教育技法では、目標に対する方略の構築をします。方略は抽象的であってはなりません。建築工事に代表されるような、詳細な工程計画が求められます。誰が何をいつまでにどのような人的資源と物的資源を用いていくらの予算で行うかという企画書です。対価を伴うということは、どこかで聞くような無責任体質でのぞむことはあり得ないのです。真剣勝負です。生涯学習・研修においても同じことで、建築物でいえばアフターメンテナンスでしょうか。医療の場合は、保守管理というよりは、むしろ常に発展的な学習・研修が求められることは言うまでもないことです。
 次に重要なのは、行ったことに対する評価です。自己評価と第三者評価とがあります。現在の歯科医療は歯科診療所が中心となって提供されています。ここはどうしても自己評価の世界となりがちで、スタッフや周囲の歯科医師による同僚評価、患者さんによる評価などのいわゆる第三者評価を受けにくい環境にあります。場合によっては自己満足に陥らないとも限りません。もちろん、畳の上の兵法ではなく、地域の医療活動に邁進する日々は大いに評価されるべきものです。しかしまた、私は、学術大会や同時開催される展示会場に足を運ぶことも勧めたいのです。今回の日本歯科医学会総会は、長崎ではなく福岡で開催されますが、長崎の半年より福岡の一日!たった一日でも気軽に参加することで、自分の診療環境、体制、技術などを時代の潮流と比較した、確かな自己評価ができます。自己研鑽を積むことによって社会が求める歯科医師に成長することも可能です。また、さまざまな地域、年代との交友を深め、医療人人生の幅を広げることもできるかもしれません。知識、人、ものとの出会いが待っています。
 さてみなさん、ぜひ、福岡の地でお会いしましょう!

市民参加イベント

このイベントにはどなたでも参加できます。ふるってご参加ください!

2016年10月 3日


 
 
 

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