日本歯科医学会について/ご挨拶
学会長ご挨拶 師走号

新しい年を待つほのぼのとした気持ちの臘(ろう)月(げつ)に
臘月とは旧暦の十二月のことです。臘月の月偏を火に代えた爉は火が燃える様子なので、ちょうどクリスマス月にもよろしいかと思います。誠に月日の経つのは早いもので…の「ヒ」ではありませんが。
ところで来年の干支である戌は、申、酉、戌と3年続く桃太郎のお供としてもよく知られています。サルは智、キジは勇、イヌは仁を表わすと言われています。犬は「伏す」という字からも、人の横で義理堅く寄り添っているように見えます。11月1日の犬の日に発売された、お友達の役目を果たすAIロボットの“aibo”(アイボ)™も犬型です。
わが家の愛犬 風(名前:ふー)が家族の仲間入りをしてすでに14年になります。2004年の2月7日に当時かわいがっていたフェレットが突然あの世に行った翌朝、ペットショップの開店時間とともに駆け付けました。今度は犬を飼おうとの決心です。ガラスケースの向こう側でボールにじゃれている今までに見たこともない犬に目が留まりました。バンビみたいな姿に大いに興味を持ちましたが、私のいだいている犬の風貌とは全くかけ離れていましたので、他の店をみることにしました。しかし、何か気持ちが引かれていましたので、店にお願いしてガラス窓に「商談中」の張り紙をしていただきました。夕方まで、何軒かの店を周りましたが、最初に会った犬の印象を超える仔は現れませんでした。ふたたび戻ってこちら側に出してもらったときの印象を忘れることができません。魔法の国から来た王子のような仔を一目見て、わが家の一員にすると決めたのです。犬種はウイペットで英国でドッグレース用として改良されました。朝夕の散歩は欠かせませんが、ほとんど吠えず、癒し犬としては最高です。われわれは「犬の姿をした猫と」表現しています。猫との大きな違いは昼間も夜もよく寝ています。実を言うと、ペットショップのケースでもほとんど寝てばかりいたので、犬を見に来た人には猫と思われ、猫を見に来た人には大きすぎると思われて、結局だれの目にも止まらなかったらしいのです。散歩中にも「なんという種類ですか?」とよく聞かれます。ある時「犬の形をした猫です」と冗談を言ったら、飛び上がって「猫ですか‼」と真顔で反応されかえって困ったこともあります。
ふーも2回目の戌年を迎えます。つらいことですが犬の平均寿命からしても3回目はないでしょう。これまでの年賀状の主役はふーでしたが、来年もふーを主役とし、一段と華々しく登場させることにします。
朝の散歩は、さまざまな野鳥が来ている都立公園です。申年生まれの私は猫年ならぬ静かな犬とともに、鳥たちの声を聴きながら今朝も歩いています。キビ団子をくれる桃太郎にいつか会う日が来るかもしれないと思いながらの幸せな時間であります。
2017年12月 4日
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