日本歯科医学会について/ご挨拶
学会長ご挨拶 令和元年7・8月号

4期目の覚悟
今期を迎えるに際し、6月3日の日本歯科医学会第100回評議員会において会長選挙が実施されました。4期目を目指した私が当選し、7月10日に第1回学会理事会が開催され、各分科会から推薦の理事と会長指名理事が一堂に会しました。新執行部のスタートです。
この2年間では、すでに設立されました(一社)日本歯科医学会連合と(一社)日本歯科専門医機構との立ち位置をはっきり示すことになります。そのためにはそれぞれの組織の役割を執行部役員がしっかりと認識し行動することです。これまでのように何をする組織かみえてこないという声が内部にあってはいけません。そこで、各々の役割を分かりやすく示し、それぞれの業務に邁進していける体制づくりが求められました。一般的な表現ですが組織における情報の共有化と目的の同一方向性です。幸いなことに第1回の学会理事会での役員たちの姿から、頼もしさをしっかりと感じるとることができました。
そこで今回の学会長ご挨拶は国民向けではなく関係分科会会員へのメッセージとさせていただきます。
日本歯科医学会の分科会は現在43あり、そのうちの25分科会が専門分科会として加入し評議員会メンバーとなっています。加えて、18の分科会は認定分科会として学会に登録されています。認定分科会から専門分科会加入には少し高いハードルがありますが、そのハードルを越えることで所属会員の帰属意識が高くなり、それぞれの分科会の体制が堅固なものになったとの声を聞きます。認定分科会には専門分科会を目指していただくことを望みます。加えて未登録の学術団体には日本歯科医学会に登録していただき、歯科の学術の幅をより広くしていくことを願っています。そのために論文の基準条件を見直し、関連の学会誌の論文も審査の対象としました。ぜひ、日本における歯科の最大学術組織である日本歯科医学会の認定分科会への登録を目指してください。
今期は5つの常置委員会に事業内容の見直しを求めます。臨時委員会ではこれまで継続していました専門医制協議会は、(一社)日本歯科専門医機構の設立に伴い、学会での役目は終了したとして廃止しました。また、広報委員会は連続性とスピードの点で対応が遅くなっていましたので、今後は四役会が担当することにしました。もちろんこれらの委員会は臨時委員会ですので必要に応じて復活はできます。
そして新規に立ち上げました臨時委員会は、新歯科医療提供検討委員会とコンプライアンス調査・普及委員会です。前者は今日求められている働き方改革を念頭に置き、歯科全体の医療体制の現状を調査・検討し、歯科界として望ましい形を提言することです。歯科は一般職と同じ条件となっており、病院では手術に当たる歯科医療従事者が医師とは異なった扱いとなり、現場で混乱が見られています。学会としては「働き方改革」の本質を理解しつつ、状況を調査し、対応策を提言していきたいと考えています。この委員会には、もう一つ、これからの歯科界に望まれる多機能の診療体系、すなわち1.5次医療機関の提案を諮問します。
後者のコンプライアンス調査・普及委員会では医療広告ガイドラインをはじめ現在示されている医療ガイドラインや指針を調査し、整理し、周知を図り、歯科界のコンプライアンスを高めようというものです。研修会の開催や指針の冊子化も諮問内容に盛り込む予定です。
日本歯科医学会は本学会の母体である日本歯科医師会との連携はもちろんのこと(一社)日本歯科医学会連合との立ち位置を考えた協調事業の推進、そして43の各分科会間の横糸づくりに力を注ぎます。学会HPにおいて、事業活動を積極的に発信してまいりますので定期的にアクセスしてください。
新執行部へのご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。
令和元年 7月24日
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