日本歯科医学会について/ご挨拶
学会長ご挨拶 令和3年6月号

「
鶯(ウグイス)は神経質な鳥だ。メジロはたくさんの群れで鳴き声だけでなく姿を見せる。近隣の公園で50年近くも鳴き声を聞いているが、姿を見てこれが鶯だと特定できたことがない。正に声はすれども姿は見えずだ。春まだ早い2月ごろは鳴き声の練習期間らしい。いわゆるササ鳴きで、鶯とはとても思えない。春告鳥とか梅に鶯などと美しく表現されても、実際に感動するのは桜が咲きそろうころからだろう。この辺りでは「ホーホケキョ」ではなく「ホーホキョッキョ」とか「ホーホキョキョキョウ」とか語尾に今一つ納得がいかない。たまに「ホーホケキョ」と響く声に遭遇すると、ついつい「うまい!」と掛け声をかける。と、一息あけて「ホーホキョキョ」と元に戻る。系統的に親鳥たちがしっかり教えていなかったのか、お手本の鳴き声でも流して進ぜようかとの気持ちもわく。とはいえ年ごとに上手に鳴く鶯が少なくなった、いや、そもそも個体数も減っているようである。五月の今はホトトギスが「テッペンカケタカ」とにぎやかなことだ。
さて現住の日野市は東京都でもとりわけ高齢化率の高い地域である。ご多分に漏れずわが家の周辺も空き家が多くなり、自治会に入っている住民は減る一方だった。ところが最近になって、空き家の解体や空き地の分譲が始まり、周辺は建築ラッシュとなっている。でき上がる家はほとんどが別荘風で、だいたいが暖炉用の煙突付きだ。この住宅地は50年前の鉄道会社の建売分譲だから、どれも似たような住宅が並んでいたのだが、今や別荘風住宅展示場の様相を呈してきた。天気の良い日に散歩しながら、次第に完成していく建築現場や新しい家々、家族の嬉しさが伝わるような庭のたたずまいなどを見て回るのは実に楽しい。テレワークの常態化によって、緑が多めで都心へのアクセスもさほど不便でない、つまりこの辺りに都心から引っ越していると、地元のうわさは社会情勢の微細な変化を読み込んでいる。ちなみに「中(ちゅう)田舎」というそうだ。別荘風住宅もウイズコロナ時代のニューノーマルなのか。
今、歯科医師によるコロナウイルスの予防ワクチンの筋肉内注射が話題となっている。これは歯科医療行為ではないが、「人手!」として声がかかった。ご存知のように歯科医療には局所麻酔が必須であることから、口腔粘膜への注射はお手の物である。その技術は筋肉内注射にも応用できる。もちろん局所麻酔に伴う不快事態も起こりえるので、その対応も学生時代のカリキュラムや歯科医師免許取得後の研修で学んでいる。そしてとくに注射時には痛みを与えないということには気を使ってきている。私は歯科医師がコロナワクチン投与の支援者として大いに活躍してくれると信じている。
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ところで4月号でクイズとしていました家内が希望した車のナンバー「7810」のことを覚えていらっしゃいますか? 何人かは熟考していただいたようで、「こういう意味だと思うのだが」と楽しい回答をいただきましたが残念ながらどれも正解には遠かったです。5月号でお答えしますと申し上げましたので待っていただいているとすればありがたいことです。
ヒント①7810は車種、HONDA N-ONEを表しています。ここで、あ、そうかと気づいていただいた方は99点。
ヒント②前の愛車MINIは愛犬「ふう」を乗せるために購入したのですが、今はもういないのです。ここでお気づきになれば95点。
ヒント③7-8-9-10とくる数字の並びなら問題はないのですが、78910では車のナンバーにはなりません。9がないのです。つまり9「ふう」Fがないのです。ここでもうお気づきかと思いますので90点。
ヒント④9=F=fluorine はい、原子番号でござりまする。
正解
7=nitrogen= N
8=oxygen= O
10=neon= Ne
7810=NONE
何もない」わけではありません。ネオンは「新しい」という意味のギリシャ語由来ですので、わが家の車は新型N-ONEということになりました。
おあとがよろしいようで。
令和 3年 5月 2日
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