令和6年度プロジェクト研究費申請公募について
認定分科会代表者 各位
会 長 住友雅人
平素は本学会会務運営に格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、本学会では、例年同様に令和6年度事業計画において、「歯科医療への学術的根拠の提供」を重点的に取り組むべき事業と位置づけ、進歩発達を遂げた歯科医学、医術を歯科医療現場に迅速に導入することを目的に、標記プロジェクト研究事業を企画、実施いたします。
プロジェクト研究事業は、学術的かつ高度な研究結果を診療報酬改定時の新技術保険導入のための一助とすることを主眼としております。歯科医療を変えるcutting-edge研究や新たな先進医療への導入に繋がる研究、基礎的研究の成果を臨床に応用するための橋渡しをするトランスレーショナルリサーチ等についても選考対象といたします。
本事業の趣旨をご理解いただき、下記の研究テーマに基づく研究課題をご申請いただきますようお願い申し上げます。
テーマA:技の保存・master craftsmanship management
歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士の3職種は手先の技術が問われる職業である。特に、デジタルデンティストリーなるICT化やDXで、歯科の王道的モデルが変化している。
一方で、デジタルでカバーできない、技をもつ年齢層は、徐々に一線から退きはじめ、所謂「匠の技」を伝授することなく、または伝授する後輩が増えない歯科界は、その技術の消滅を致し方ないものと割り切る状況であることは否めない。
古典的には、映像で残すことも行われているが、細かな動き、質まで映像では再現できないものも少なくない。
そこで、今年度はこの緊喫の課題に絞り、プロジェクト研究テーマを「技の保存・master craftsmanship management」として、この課題を解決すべく、歯科の各分野で残すべき「技」をデジタル的に残す方法に関する研究を募集する。これにより、今後の人材育成を効率的に行うことのみならず、教育的効果を客観的に評価することも可能となるだろう。それは近い将来のロボット治療技術につながるものとしても期待できる。
テーマB:加速度的に進むデジタルデンティストリー ~デジタル用語の整理と統一化を目指す~
昨今、医療DXの進化が異常なほど、加速度的に進んでいる。歯科医療界においても同様にデジタル器材や情報伝達などにおいて、その普及が進んでいる。
一方、技術が先行しているがために、ICT関連用語を含め、これらデジタルの用語が多用されるようになってきたが、学会によっては、同一事象を別の用語で表現するなど、研究者や臨床家が混乱することも稀ではない。
各学会で使用されているデジタルデンティストリーに関する用語の整理を行い、歯科界として統一された用語を使用していくのも本学会の使命であると考える。
そこで、プロジェクト研究Bとして、「加速度的に進むデジタルデンティストリー ~デジタル用語の整理と統一化を目指す~」と題し、サブテーマにもあるように、現在社会に登場しているデジタル用語の整理と統一化をから「デジタルデンティストリー用語集」を作成するなどのプロダクトを求めるものである。
<研究期間>
令和6年8月1日より令和8年3月31日<研究費用>
総額2,000万円以内(2テーマ・2年度分の合計額)<締め切り>
令和6年6月30日(日)<申請書および各種報告書様式等>
・令和6年度プロジェクト研究費応募要領.pdf・令和6年度プロジェクト研究テーマ及び趣旨.pdf
・プロジェクト研究費申請書様式.docx
・日本歯科医学会COI自己申告書(英文または和文).doc
・配偶者、一親等内の親族、または収入・財産を共有する者の申告書(英文または和文).doc
令和5年度
テーマA:
ESGを考慮したエシカルデンティストリー(Ethical dentistry)を目指して
・バイオマス資源とデジタル技術を活用したエコフレンドリーな補綴歯科治療の実現に向けた研究
【研究担当学会/研究代表者】
日本補綴歯科学会/窪木拓男
(岡山大学学術研究院医歯薬学域)
・歯周病専門医による臨床データエビデンスに基づいたエシカルペリオドンティクス
【研究担当学会/研究代表者】
日本歯周病学会/高柴正悟
(岡山大学学術研究院医歯薬学域)
テーマB:
アフターコロナのデンタルフィロソフィの変革と再定義
・口腔に症状を呈する各種ウイルス感染症のチェアサイド迅速診断技術の確立とその院内感染対策への応用
【研究担当学会/研究代表者】
日本口腔診断学会・日本口腔内科学会/里村一人
(鶴見大学歯学部口腔内科学講座)
・歯科医師による新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に関する実態調査
【研究担当学会/研究代表者】
日本歯科麻酔学会/宮脇卓也
(岡山大学学術研究院医歯薬学域歯科麻酔・特別支援歯科学分野)